Visual SLAMとは?仕組み・LiDAR SLAMとの違い・活用例を徹底解説【2026年版】
この記事でわかること
- Visual SLAMとは何か
- Visual SLAMの仕組みと種類(単眼・ステレオ・RGB-D)
- 主要なアルゴリズム(ORB-SLAM 等)
- LiDAR SLAMとの違い
- 活用シーンと課題
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Visual SLAMとは?
Visual SLAM(ビジュアルスラム)とは、カメラの映像を使って、ロボットが「自己位置推定」と「地図作成」を同時に行うSLAM技術です。SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)のうち、主なセンサーにカメラを用いるものを指します。
高価なLiDARを使うLiDAR SLAMに比べ、安価なカメラで実現できるのが大きな特徴で、研究用途からドローン・AR/VRなどの民生機器まで幅広く活用されています。
👉 SLAM全体の仕組みや種類については、SLAMとは?仕組み・種類から活用事例まで徹底解説 をご覧ください。
Visual SLAMの仕組み
Visual SLAMは、カメラ映像の中の「特徴点」を連続するフレーム間で追跡し、その見え方の変化から自己位置と地図を推定します。
基本的な処理の流れは次の通りです。
- 特徴抽出:画像から角や輪郭などの特徴点を抽出する
- 特徴のマッチング・追跡:前後フレーム間で同じ点を対応づける
- 自己位置推定:点の動き方からカメラの移動量を計算する
- 地図構築:観測した点群から3次元地図を作成する
- ループクロージャ:同じ場所に戻った際に誤差を補正する
処理方式は大きく2つに分かれます。
- 特徴点ベース(間接法):ORBなどの特徴点を抽出して対応づける方式。ORB-SLAMが代表。
- 直接法:特徴点を使わず、画素の輝度値を直接使う方式。LSD-SLAM・DSOが代表。
Visual SLAMの種類(カメラ別)
使用するカメラによって、Visual SLAMは複数のタイプに分かれます。
単眼(モノキュラ)SLAM
カメラ1台で実現する最も安価な方式。ただし映像だけでは実際の縮尺(スケール)が分からないという弱点があります。
ステレオSLAM
2台のカメラの視差から距離を計測する方式。スケールを正しく取得できます。
RGB-D(デプスカメラ)SLAM
色情報と距離情報を同時に取得する方式。屋内で高精度。Intel RealSenseなどが代表的なセンサーです。
Visual-Inertial SLAM(VI-SLAM)
カメラとIMU(慣性計測装置)を組み合わせた方式。カメラの弱点をIMUで補えるため、ドローンや小型ロボットで広く使われます。
Visual SLAMの主要アルゴリズム
| アルゴリズム | 方式 | 特徴 |
|---|---|---|
| ORB-SLAM(2 / 3) | 特徴点ベース | 単眼・ステレオ・RGB-Dに対応。実績豊富で定番 |
| LSD-SLAM | 直接法 | セミデンスな地図を生成 |
| DSO | 直接法 | 高精度なオドメトリ |
| RTAB-Map | RGB-D・グラフベース | ループクロージャに強く、ロボット実装で人気 |
| VINS-Fusion | 視覚+慣性 | ドローン等で活用 |
これらの多くはROS(Robot Operating System)パッケージとして公開されており、研究開発用ロボットに導入して実機検証ができます。
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Visual SLAMとLiDAR SLAMの違い
| 項目 | Visual SLAM | LiDAR SLAM |
|---|---|---|
| センサー | カメラ | LiDAR |
| 導入コスト | 低い | 高い |
| 精度・安定性 | 環境に左右される | 高精度で安定 |
| 照明の影響 | 暗所・逆光に弱い | 影響を受けにくい |
| 取得情報 | 色・テクスチャが豊富 | 距離(形状)が正確 |
| 計算負荷 | 高め(画像処理) | 比較的軽い |
| 屋外 | 課題あり | 強い |
| 代表例 | ORB-SLAM、RTAB-Map | Cartographer、LOAM |
使い分けの目安:コストを抑えたい・色情報を活かしたいならVisual SLAM、高精度や屋外・安定性を重視するならLiDAR SLAMが向いています。両者を組み合わせるセンサーフュージョンも研究が進んでいます。
Visual SLAMの活用シーン
- AR/VR:空間認識・位置合わせ
- ドローン:屋内飛行・3次元マッピング
- 自律移動ロボット・AMR:低コストな自律走行
- 掃除ロボット:屋内の自己位置推定
- スマートフォンAR:単眼カメラでの空間認識
- 研究・教育:低コストでSLAMを学べる教材
Visual SLAMの課題
- 照明・テクスチャへの依存:白い壁など特徴の少ない場所が苦手
- 動的環境:人や物の動きで精度が低下
- スケール不定性:単眼カメラでは実寸が定まらない
- 計算コスト:リアルタイム画像処理の負荷
近年は、Deep Learning(深層学習)を活用したVisual SLAMや、意味情報を使うセマンティックSLAMなどで、これらの課題の改善が進んでいます。
まとめ
Visual SLAMは、カメラという安価なセンサーでSLAMを実現できる技術で、AR/VR・ドローン・自律移動ロボットなど幅広い分野で活用されています。
- 単眼・ステレオ・RGB-Dなどカメラの種類で特性が変わる
- ORB-SLAMをはじめ主要アルゴリズムはROSで実機検証できる
- LiDAR SLAMとはコスト・精度・環境耐性でトレードオフがある
Visual SLAMの研究・実機検証には、カメラやセンサーを柔軟に追加できる自律移動ロボットが欠かせません。
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